地震と震災の違い

地震大国の日本において、地震は身近なリスクの一つとなっています。何年に一度かは大きな「地震」が起こり、その際に「震災」という言葉を目にしますが、一方で常日頃から地震はあちこちで起こっているものの、震災は頻繁には起こっていません。では、地震と震災の違いは一体何なのでしょうか?

一般に地震は、地球内部の急激な変動による弾性波(地震波)が四方に伝わり、地球表面が揺れる現象を指すのに対して、震災は、地震によって引き起こされた災害を指す言葉となっており、必ずしも「地震=震災」ではありません。

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地震について

地震は、地球内部で様々な形でエネルギーが蓄積され、それがある種の破壊により局所的かつ急激に解放されて弾性波動(地震波)を発生する現象、および地震波による地球表面の振動(揺れ)のことをいいます。これには、広範囲にわたって非常に強い地震動をもたらし、大災害を生じさせるような巨大地震から、人体に地震動を感じず、高感度の地震計だけが記録するような微小地震まで、大小様々なものがあります。

現在、日本においては、日々発生する地震について、地震そのものの規模を「マグニチュード(気象庁マグニチュード)」、また揺れた地域(各地)における地震の揺れの程度を「震度(気象庁震度階級)」で表示しています。

<地震の規模別分類>

地震は、マグニチュードの規模によって、以下のように分類されます。

巨大地震
普通、マグニチュード8以上の規模の地震。

大地震
マグニチュード7以上の規模の地震。

中地震
マグニチュード5以上7未満の規模の地震。

小地震
マグニチュード3以上5未満の規模の地震。

微小地震
マグニチュード1以上3未満の規模の地震。

極微小地震
マグニチュード1未満の規模の地震。

震災について

震災は、地震によって引き起こされた災害のことをいい、また大規模なものを「大震災」と言います。これは、必ずしも大地震が大災害を引き起こすとは限らず、また同じマグニチュードの地震でも発生した場所によって、災害が起こる場合もあれば起こらない場合もあり、すなわち、震災の大きさは、マグニチュードや震度で単純に測れるものではありません。

一般に震災は、地震そのものに起因する「一次災害」と、それから副次的に生ずる「二次災害」とに分けられます。昨今の現代社会において、震災対策では、一次災害の軽減だけではなく、二次災害の抑止にも大きな対策を講じなければならないとされています。特に都市部では、壊滅的な被害を起こすこともあり、二次災害の対策は大きな課題となっています。

●一次災害

強い地震動による山崩れや崖崩れ、地割れ、液状化現象、建造物の損傷・崩壊、津波による建造物や船舶などの流失・破壊 他

●二次災害

火災の発生、水道・電気・ガス・通信網等のライフラインの破壊、鉄道・道路等の交通インフラの破壊、生活物資の流通網の破壊 他

<過去に起きた大震災>

壊滅的な被害のあった大震災の名称については、基本的に政府に因って閣議決定を経て、行政上の名称となるそうです。

関東大震災
1923年9月1日に発生した「大正関東地震」による災害。

阪神・淡路大震災
1995年1月17日に発生した「兵庫県南部地震」による災害。

東日本大震災
2011年3月11日に発生した「東北地方太平洋沖地震」、およびそれによって引き起こされた大津波や福島第一原子力発電所事故などによる災害。