マグニチュードと震度の違い

地震が発生した時、日本では、「マグニチュード」と「震度」の二つの数値が発表されますが、この二つの違いについてご存知でしょうか? また、同じマグニチュードの地震でも、震度は場所によって異なり、揺れの大きさが違うのはどうしてでしょうか?

一般にマグニチュードが、地震そのもののエネルギー量(地震そのものの大きさ)の指標として用いられるのに対して、震度は、地震による地面の揺れの大きさを表す指標として用いられており、両者は全く異なる視点の指標となっています。

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マグニチュードと震度のイメージ(例え)

地震は「地面の揺れ」であるため、感覚的にイメージしにくいですが、マグニチュードと震度の具体的なイメージとしては、電球で例えると分かりやすいかもしれません。

●マグニチュードを電球に例えると

マグニチュードの大きさ=電球そのものの明るさ

●震度を電球に例えると

震度の大きさ=ある場所で感じる電球の明るさ(場所により異なる)

<地盤や地形などが同じだとすると>

・一つの地震で、マグニチュード(電球そのもの明るさは)は一つであるが、震源(電球)からの距離によって震度(体感する明るさ)は異なる。通常、震源(電球)の近くは、震度が大きくなり(明るく感じ)、遠くなると震度が小さくなる(暗く感じる)。

・「マグニチュードが大きい(小さい)=電球そのものが明るい(暗い)」という関係が成り立ち、マグニチュードが大きい(電球がより明るいと)と、同じ距離なら震度が大きくなる(より明るく感じる)。

マグニチュードについて

マグニチュードは、地震そのものの大きさの指標で、地震の規模(エネルギー)の大小を定量的に表した数値をいいます。これは、場所によって数値が異なる「震度」と違い、一つの地震に対して一つの数値しかありません。また、マグニチュードが0.2大きい地震は約2倍、1.0大きい地震は約32倍、2.0大きい地震は約1000倍のエネルギーを持ちます。

現在、マグニチュードには、いくつかの種類があり、日本では、気象庁が定義した「気象庁マグニチュード(Mj)」にほぼ統一されており、小数点1まで表示されます。

震度について

震度は、ある地点(場所)における地震の揺れの程度(強さ)を示す指標で、ある場所がどのくらい揺れたのかを表した数値をいいます。これは、同じ地震であっても、震源からの距離や地盤、地形などで揺れやすさが異なるため、場所によって震度が異なります。また、マグニチュードの数値は一つですが、震度は様々な場所によって計測され、複数の数値があります(地震による揺れが大きいほど、震度は大きくなる)。

現在、日本では「気象庁震度階級」が使われており、この震度階級は地震による"揺れの強さ"を総合的に表す指標で、防災対応の基準としても利用されています。また、気象庁(国土交通省の外局)が発表する計測震度(震度)は、原則として地表や低層建物の一階に設置した計測震度計で「地震の揺れや強さ」を自動的に観測したものであり、実際に発生した現象や被害から決定されるものではありません。

<気象庁の震度階級>

震度0」「震度1」「震度2」「震度3」「震度4」「震度5弱」「震度5強」「震度6弱」「震度6強」「震度7」の10階級となっており、その内容については「気象庁震度階級関連解説表」において記されている。