溶岩とマグマの違い

火山と言った場合、多くの人が思い浮かべるものの一つに「赤くて熱いドロドロしたもの」があるのではないでしょうか? これは、「マグマ」と言ったり、「溶岩」と言ったりしますが、その正体は一体何なのでしょうか? また、その違いは一体何なのでしょうか?

簡単に両者の正体と違いを言えば、どちらも源流が一緒の岩石物質であり、地下で高温により溶融状態にあるものが「マグマ」で、一方で地上に溶融状態で噴出したもの、及びそれが冷却・固結してできたものが「溶岩」です。

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マグマについて

マグマ(Magma)は、日本語で「岩漿」とも呼ばれ、地下で形成された、高温で溶融状態にある岩石物質の総称をいいます。これは、地殻下部からマントル上部の深さで、地下の温度上昇や圧力減少などによって部分溶融が起こることで発生すると言われ、また浮力によって徐々に上方に向かって移動し、周囲の岩石の密度と同じ所まで来ると、マグマ溜りを形成します。

現在、地球の中にあるマグマの大半は、ケイ酸塩主体の組成となっており、その種類は組成内容によって様々ですが、ケイ酸(二酸化ケイ素)の含有量によって、玄武岩質マグマ、安山岩質マグマ、デイサイト質マグマ、流紋岩質マグマの4つに大きく分類されます。なお、マグマが地殻上層または地表に上って固結すれば「火成岩」となり、また地表に流出したもの、およびそれが固結したものは「溶岩」と呼ばれます。

溶岩について

溶岩(Lava)は、地下にあるマグマが地表に放出された溶融状態のものと、それが冷却・団結してできた岩体(火山岩)の総称をいいます。これは、火口や噴火割目から、地下のマグマが液体状態を保ったまま噴出したものであり、また溶融状態の溶岩の粘性は、その温度と化学成分によって大きく異なります。

なお、溶岩の組成としては、ケイ酸塩の溶融体が多く、また冷却・固結した溶岩の大部分は非晶質か細粒結晶質となります。

|溶岩湖|
地表に流出した溶岩が、くぼ地や火口に溜まったもの。

溶岩ドーム
地表に現れた溶岩がほとんど流れ下ることなく、その場でおわんを伏せたような半球状に固まったもの。

溶岩流
液状の溶岩が火山の火口や地殻の割れ目から地表に噴出し、低地へ流出する状況、およびその結果、地表に残された特徴的な地形(流れたまま固結してできた岩体)。