プルトニウム

【英語名:plutonium、分類:原子力】

プルトニウム(元素記号:Pu)は、原子番号が94の自然界にはほとんど存在しない放射性元素(核分裂性物質)をいいます。これは、原子炉内において、ウラン238が中性子を吸収してウラン239となり、それがベータ崩壊してネプツニウム239となり、さらにそれがベータ崩壊してプルトニウム239となります。また、中性子の吸収度合いによって、複数の同位体ができます。ちなみに、存在量の多い代表的な核種はプルトニウム239(半減期:2万4千年)で、崩壊する時にアルファ線を放出し、他の同位体ではベータ線ガンマ線中性子線も放出します。

一般にプルトニウムの同位体のうち、プルトニウム239とプルトニウム241は核分裂断面積が大きいため、核燃料(核分裂物質)として利用できます。また、軽水炉で発生する熱の約3分の1は炉内で生成したプルトニウムの核分裂によって発生しており、一方で作られたプルトニウムのうち約6割がそのまま燃焼し、残りの約4割が使用済燃料に含まれます。

●プルトニウムの発見(合成)

1941年にアメリカの化学者グループが60インチサイクロトロンを使って、ウラン238に重水素を衝突させる方法によって初めて合成。

●プルトニウムの名前の由来

当時、海王星の次の惑星と考えられていた冥王星 (pluto) から命名。

●プルトニウムの人体への影響

代表的な核種であるプルトニウム239は、アルファー線を長期間出し続ける性質があるため、体内に吸い込んで蓄積された場合に内部被ばくの危険性が高い。

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